嘘泣き遊び


同じ条件が揃っている教室という括りがなくなった今、社会人になるとどういう人間性なのかさっぱり読めなくなる割に、

こいつが高校生ならナントカ君みたいなタイプだったんだろうと教室の感覚を今でも基本にしているミステリー。


「分かる、もうそれ! こーんなにオーダーメードならさ、友達同士のー、我慢とかじゃなくなんつーの、なんか、ねえ? 分かる?」

「分かるよ、なんかさ、そゆー感覚って大事なのにね」

「まあ、今だから分かるんだろーけどね」

「切符は駅員さん、タッチパネル注文は従業員さん、雇用はー?とか。無駄な世間話はーってね。知ったか」

「ふ、ほんま微妙だなあー。なーんか希薄な。ふ、コメンテーターか」

「うんうん、あ、アドレス入力だ」

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