嘘泣き遊び
皆がシカトする子だったから、なんとなく周りに合わせて見て見ぬふりをしている癖に、
その子とふたりきりの時は話しかけて、自分で自分の優しさに安心していたチープさが好きだ。
「スタンプどこスタンプ」
「焦る、ふちどりペンないの? ペンの種類やべーよ、意味分かんない、ひとうら? なんだ」
「あったしさー、中学ん時落書きすげぇ情熱かけたから」
「分かる! あれ美的センス出るくない? デザインあるわーみたいな」
「字ぃ頼りない子の落書きほんま嫌だったからー、分かる? 写りがいい奴をその子が変に落書きしたら微妙でさ」
「分かるーウケるー! あれで友達なりたいレベル判断するとゆー、はやみゆー」