政府より魔女へ
リラが笑っていた。

相変わらず可愛いんだから。

「どしたの?」

「ん、出会ったときのこと思い出して」

「あら奇遇ね。私もよ」

私たちは一服していた。

リラお手製のミルフィーユと紅茶で。

いつも思うんだけど、材料とかどうしてるのかしら。茶葉も自分で?

リラって魔法使ったり使わなかったりだから、どこまで魔法でやるのかわかんないのよね。


「元彼、私のところに来たわ。写真の顔そのまんまだったからすぐにわかった。」

「ユウキが? なんで?」

ていうかユウキ、今だに童顔が抜けてないみたいね。

「さぁ?」

なんてリラは笑っているけど、わかっているんだね、それは。

「なんで別れたの?」

「国家試験に合格して政府の犬になったから。私、政府の人間嫌いだもの」


するとリラは笑っていた。

「何?」

「べつに」

「気になる〜!」



この時は思いもしなかった。


彼女に、何が起きるかなんて.....





【魔女と牧場娘】終
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