政府より魔女へ
降りてくる彼女の手をとって着地を助ける。
ふわりと、音もせずに降り立った。
「どうしてと訊きたいんでしょう?」
俺の怪訝な顔つきはどうやら隠せなかったようだ。
「確かに彼らは進化を遂げた生物よ。原因はもちろん人間によるもの。けれどさすがにエサを求めるだけにしてはやりすぎだわ。
つまり、彼らは必要以上に人工物を襲うことを強いられていた」
「誰かが、タカを操っていた、と?」
いったい、だれが。
「でも、タカはもう暴れたりはしないから安心して」
帰り道、コロニー外では久々の雨を観測した。