政府より魔女へ
俺はすぐに、部下の七丘と共に彼女の許を訪れた。
もちろん内密にだ。
だれが捕まえるか。
彼女にこのことを告げると、
「ふーん」
そっけない一言が返ってくるだけだった。
「リラ! 君じゃないんだろう? 君は真実を知っているんだろう?」
「なぜ私が真実を知っていると思うの?」
「君は今まで、魔女だからわかることを教えてくれた。自然と語らうという君だから」
「笑えるわね。すべての真実が私にあると思わないの?」
「どういう....」
いったい、彼女は何を―――
「ゴキブリを機に、モグラを操り、タカにも攻撃させた。
人間に己の所業を知らしめすための演技。
すべて私の意図だと、思わないの?」
「.....うそだ。うそだろ? 君は――――」
彼女は俺にただ微笑みかけるだけだった。
苦しそうに、そして、
今までよりずっと
寂しげな瞳をして 。
【新生物Τ】終