政府より魔女へ
最終話「魔女R」

不明

医学に生物学だけでなく、物理学、心理学など、あらゆる学者がその原因の解明に勤しんでいた。

人だけにみられる原因不明の病気。

最初に発病が報告されてからもう一週間が経つ。

今、世界の人口の約一割が帰らぬ人となった。

さすがに僕達ももう魔女に助けを求めることはなかった。

原因不明であるのは、昨今話題になった魔女が関わっているからだと、多くの人が言うのである。

僕はデスクでパソコンから現在のデータを入手していた。

「増えてるなぁ...」

死亡数が一人、また一人と増えていく。

時に何人、何十人と同時に加算されていく。

そして分布図を見ていると、世界各国あらゆるところで万遍無く存在している。

つまり、これが異状なのだ。

発生原がない。

むしろ、世界全体に病原体があったと言うべきだろう。

初患者を皮切りに、ほとんど同時刻に各地で多くの人が倒れてしまい、発生原が特定できなかった。

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