政府より魔女へ
「どうしたの? いきなり戻ってきてさ。連絡くらい、くれたらソッコー反対したのに」

「メルンが、」

「あたしが?」

「.....おれ、こっちに戻って家継ごうかな」

芝生に寝っ転がる。

「な、何いきなり。あんた、牛になめられてばっかだから嫌になったんでしょ?」

「んー、どこにいってもそんなもんだよ。
それに、牛に向き合っていきたいって、サーンとアスカのおかげで思えるようになった。」

いまさら、遅いか。

「なんで『アスカ』なの?」

「明日もあるように」

明日も、明日の明日も、ずーっと、生きていたいから。

メルンと、みんなと、牛たちと、この地球で生きていたいから。

「オスじゃなくてよかったぁ。さばかれずに済むもんな」

「ばか。あんた本当にやっていけんの?」

「メルン、」

「な、に......」


「ずっと、そばにいて」


ずっと―――――



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