愛、恋歌
下り坂
         下り坂

自転車めいいっぱい 漕ぎあげて
見上げた空は なんだか霞んで見えた
前を走っているカップルは 見つめあって 笑っている
いつもなら 羨ましく思うだけの出来事だけど
今日はなんだか 涙がこぼれた


*赤く染まった空を 見上げて
 下り坂 ブレーキ軽く握り締め
 涙が風に乾かされていく
 僕は後何度 涙を流せばいいのかな


いつもそうだ 先の見えない未来は
綺麗な想像ばかり 浮かんで
本当は 違うものばかり訪れる 今日も そんな日で
僕は 悲しみを覚えた
巡り 巡る 季節の中で

涙がこぼれた時は 上を向いて歩こうよ
きっとあの 蒼い空が 何かを教えてくれる
温かい風が きっと何か大切なことを
教えてくれる だからしばらくこのままでいよう

いつかきっと
君の前で 笑える日が 来るから
それまで この空と 待っていよう


       *
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