もう一度。




「またまたぁ!本当はまだ好きなんでしょ?藤野のこと」



視線を咲良から机へと移す。


「あたしはもう…」
『元カノだから』
と言おうとしたところで大声が飛ぶ。



「柚梨のことに触れるんじゃねぇ!」



その声はそう、蒼の声だった。



てか何、今の?

あたしのことに触れないって何よ。



「あっ、ちがっ、ゆう…」



ガタンと席を立ちこちらに頭をかきながら向かおうとする、あいつ。



「もう、いいよ。…あたしのこと嫌いなことくらいわかってるから…」



言葉をさえぎってそれだけ言い教室を出る。




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