もう一度。
嘘に聞こえた。
大嘘つきだと思った。
君の優しさだと思った。
この言葉だけは君の優しさに頼ればよかったのにね。
あたしも君も空回り。
「柚梨~!遅いじゃん、大丈夫だった?ヤギセン?」
教室のドアを引くとみんなが一斉にあたしを見る。
「あ、うん大丈夫だった!」
「なぁなぁ柚梨~、蒼は?」
頬杖をついたまま視線をぶつける男子。
そいつ、あたしの幼なじみです。
だから“柚梨”昔からだから。
お互いなんの感情もない。
「えっと、あの、分かんないや」