もう一度。




「…こっちの台詞だよ。俺は聖の知らない笠井柚梨を知ってるから」


ニヤッと不敵な笑みだけ残しカバンを肩にかけて教室を出る蒼。


何が言いたかったのかいまいちよくわかんない。


「…よし、行くか柚梨!」


あぁ、こっちも笑みがぎこちない。


なになに?
お2人さんめっちゃ怖いよ!


「ほら、行くぞ!」


「あぁ、うん」



って山村駄菓子屋じゃん!


「あれっ?お嬢ちゃん今朝の…蒼はどうしたんだ?」


山村のおじさんの言葉に聖の視線が刺さった。


言い訳のしようがない…。


でも蒼と登校したなんて…言えない!




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