もう一度。
よかったあああ!聖が言ってくれなきゃあたしが言うところだったよ…。
「え?お前ら幼なじみだったのかよ。何で俺に教えてくんないのー?」
「いや、待て淳也、お前に言う意味がねえよっ」
また、こんな風な1日が始まった。
彼女の話をする蒼に苛立つ以外は何もない平凡な1日になりそう。
そう思いながら午後の進路指導に入った。
「えー、君たちはこれから、受験校を明確に決める時期です。
まだ早いんじゃない?などと思っていると、もう気づいた頃には手遅れになっているかもしれません!
はい、じゃあいつもの4人班にしてー。高校の資料配るから」
担任の声にあわせて机がガタガタと動き始める。
高校かー、まだまだ先のことって思ってたなー。
頬杖をつきながら配られる資料を横目で見た。
「正直、進路とかまだはやくね?」
斜め前の聖が資料をペラペラとめくりだした。
「お前は、負け組…!」
人差し指をピッと聖に向けてそう言った担任。
「目標がないと人間頑張れないもんだ…!」
珍しく熱弁。