もう一度。
聖が持っていた資料にはこの近くの私立高校の名前が書いてあった。
「あ、私のお姉ちゃんここ通ってるよ?」
班の子がその高校を指差して言った。
外装もきれいでいかにも私立というような感じ。
他にもらった私立高校の資料の中にこの県のもっと都心にある附属高校の資料があった。
表紙には数人の生徒が、バスケやサッカーをやっている姿が載っている。
さほど年齢もかわらないのに大人っぽくみえる。
「なんか、あたしたちが高校生になるとか想像つかないよねー」
目の前の資料に思わずそんな言葉がこぼれる。
私立はお金かかるから併願だなー。
「聖、お前ちょっと面談。こっちこい」
「え、俺?え、なんかしましたっけ?」
突然名前を呼ばれた聖はビビりながら椅子を下げた。
「いや、してねーからっ!」
その言葉に安心したのか教室から出て行くときには普通の聖だった。