空から見る音の粒

6時限目の鐘がなる。
なんとか間に合った。
先生も来てなかった。
肩で息をしていると、友達が後ろから話し掛けてきた。

「鈴音、セーフじゃん」
『まぁね、遅刻する訳にはいかないし』

彼女の名前は、田中 魅祈。
悪戯っぽく笑いながら、魅祈は言う。

「おーおー、さすが学年1の歌姫。
 真っすぐですなぁ」
『魅祈、歌姫じゃないからね。
 もっと歌が上手な子が居るでしょ?』

このクラスの授業はほぼ音楽。
で、演奏か歌か分けるときに
技量を図るために歌った曲が“たまたま”好きな歌で
よく練習してて偶然、学年トップに。
そこから、歌姫と呼ばれるようになった。

『ほんと、偶然だから』

私はため息を吐き出しながら言う。
 
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