Honey Love




屋上に着くと、同じクラスの佐伯さんが寝ていた。
起こしたら悪いなぁと思ってドアをゆっくり閉めたつもりが大きな音をたててドアが閉まった。
それなのに、佐伯さんは一向に起きる気配がない。
良かったぁー。と安心していると



『どうしたの?川口さん。』



そう言って、佐伯さんはゆっくりと体を起こした。



「なんで?何にもないよ。」



内心、少しドキッとしたけど、冷静を装って言ったのに見事に見破られた。



『ふーん。でも、おどおどしてるし、屋上に来るなんて珍しいじゃん。』



「うーん。まぁ、何かあったけど・・・特に重要なものでもないし。」



『そうなんだ。ならいいけど。』



佐伯さんがそう言い終わらないうちに、ドアがバンッと開いた。




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