恋スル手紙
「マジ勘弁してください。今は相手してる気分じゃないんですよ」


苦々しい顔をしながら、そう吐き捨てる直樹に伽羅が再び近寄る。


「ん、もしかして〜。フラれちゃったとか?」


伽羅の顔が面白いものでも見るようにニヤニヤとしてる、と感じるのは直樹の気のせいではないはずだ。


「伽羅さんには関係ないです」


直樹が一歩下がると、伽羅も一歩近づく。気が付けば、直樹の背中には壁が待っていた。


「ゴメンねぇ、もしかして図星?」
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