恋スル手紙
今にも崩れそうな笑顔をなんとか保ちながら、伽羅が言い返す。


「それって、どうゆうことよ?」


直樹の爪先に激痛が走る。下に目を向けるまでもなく、伽羅が踏んでいるのだ。


「だって、伽羅さん女じゃなくて、ニューハー」


 バチンッ


足の痛みを堪える直樹に、追い打ちがかかる。
顔を左から右へと走る衝撃。


「直樹のバカ! 私、女だもん!」


そう言い残すと、伽羅は自分の部屋へ逃げていってしまった。
またまた立ち尽くす直樹。
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