恋スル手紙
バサッと布団が捲くりあげられ、真っ赤なブラが目に入る。
栞は両手を真上に伸ばし、大きな欠伸をした後まだ眠たそうな目を擦った。


栞の姿に焦った直樹は、掴んでいたナオを落とし目を背けるように後ろを向く。


「パパのバカ! いたいよ」


直樹の足を叩きながら、痛さを訴えるナオ。
それを無視して、直樹が声をあげる。


「栞さん! なんて格好してるんですか」


「〜〜あふ」


栞は長かった欠伸を終え、首を左右に曲げる。
部屋に、パキッコキッと小気味よい音が響いた。
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