恋スル手紙
「ああ、これ? 決まってるじゃん、僕がいつ襲いに来ても良いようにね」


気怠さを、全面に押し出したような喋り方で答える栞。


「ナ〜オ、やめなさい。パパが痛いでしょ?」


「は〜い」


栞がピシャリとナオを叱ると、ナオは駆け足で布団の中に潜り込んだ。


「栞さん……」


「なに? あっ、もしかして怒ってる? 肩震えてるよ」


「何度も言わせないで下さい! 俺は直樹です。“僕”や“パパ”じゃありませんから!」
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