恋スル手紙
直樹の動きに合わせるように大振りな胸を揺らす彩香は、どこか冷めたような表情でベッドの脇にあるテレビを見つめていた。


もう一度、名前を呼ぶ直樹。


「彩香」


彩香は手に持っていたリモコンで、アダルトチャンネルが映っていたテレビを消した。
部屋にはエアコンが暖気を送り出す音と、肉と肉が擦り合う音だけが残る。


ゆっくりと直樹を見る彩香。その表情は、一言で表せば『嫌悪』直樹に対して向けられた嫌悪の感情。ルージュの落ちていない艶やかな唇が、開いた。
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