恋スル手紙
「で、なんてフラれたの?」


「……別に栞さんには関係ないですよね」


栞は短くなったたばこをもう一回だけくわえ、空き缶の中に落とした。
ジュッ、という音がして少し苦い煙が立ち昇る。


「言いたくないってことは、そうゆうことか」


勝手に一人で納得し、ニヤニヤとする栞。
その予想が当たっているような気がして、直樹は段々と腹が立ってきた。


冷たいビールを胃に流し込む。



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