恋スル手紙
「そうゆうことって、どうゆうことですか!」


彩香とのやり取りが、アルコールとともにぐるぐる回る。
自分の語気が強くなっていることに、直樹は気付かない。


「男として、駄目印を押された気分なんでしょ? セックス拒まれるのって」


「なっ! なんで……」


栞の的確な予想に、直樹の胸がズクンと痛む。


俯くと何かが零れそうになる。
それを必死に堪える直樹。


栞の手が、そっと直樹に触れる。

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