恋スル手紙
「コラコラッ! それ以上いじめてどうする」


「ん、ダメかな?」


親指で二号室を指しながら、顎をクイッとさせる栞。


「ダ〜メ! 話したりないなら相手してあげるから」


「は〜い。タダ酒だあ」


栞の指先を見て嬉しそうに返事をする伽羅を、裏切るかのような栞の発言。


「バカ、酒は持参に決まってるだろ!」


横を向いて、唇を尖んがらせる伽羅。
その唇が小さく動く。


「ケチ!」

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