Escape from the DEAD second night

正直に言えば、要はまだ芹か紅かを選びかねている。

どちらにも特別な感情を抱いていないのかもしれない。

或いはどちらかに偏るほど、二人に軽い見方をしていないのかもしれない。

だが、芹も紅も、ここまで生死を共にしてきた仲間だ。

ならば危険を冒している事がわかっていながら、見殺しには出来ない。

紅には何度も甘い考えだとたしなめられた。

全ての人間を助けられる訳ではない、この状況において見捨てる事は罪ではない、割り切れと。

…それがすんなり実践できれば、要ももう少し器用な男になっていただろうに。

自分勝手な行動をとった芹を助けに、敢えて死地へと赴く。

要領の悪い、馬鹿者には違いなかった。