Escape from the DEAD second night
旅立ちの朝。

要はベルトにトカレフの入ったガンホルダーと特殊警棒の入ったホルダーを下げ、紅は日本刀の納められた鞘を帯びた。

身を守る武器がなければ、出歩く事さえできなくなった世界。

殺さなければ殺される世界。

SF映画で見たようなフィクションの世界が、この門の向こうには広がっている。

要達の瑞々しい肉体を頬張りたいと、生ける屍達が徘徊している。

「漢(おとこ)だなぁ、要」

組長が要の肩をポンと叩く。

止めはしなかった。

組長も同じ漢。

任侠の世界で生きてきた漢だ。

漢には、やるべき時がある。

その『やるべき時』を自ら見極めた要を、止める理由などなかった。

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