Escape from the DEAD second night
紅の勝手な思い込みだと言われれば、そうかもしれない。

要は甘いながらも、情に厚い男だ。

相手が誰であろうと、全力を傾けて守ろうとする。

それが芹だから、紅だからという区別はしない筈だ。

…だが紅は疑った。

もしかしたら芹ではなく自分だったら、要はこうも献身的にならないのではないかと。

それは嫉妬には違いない。

恋に嫉妬は付き物。

それが汚らしい感情ではない事もわかっている。

しかし、何というか…。

「要には来生が似合っているよ」

紅は艶やかなまでの笑顔を芹に向けた。

< 111 / 132 >

この作品をシェア

pagetop