Escape from the DEAD second night
その言葉を、紅はどんな気持ちで口にしたのか。

『芹を助けに行きたい』

要がそう言った時、複雑な気持ちになったのを覚えている。

危険を冒してまで芹を追うと決意した要。

もし屋敷を出て行ったのが芹ではなく自分だったら、要は同じように決断してくれただろうか。

…そんな事を考えて、その思いを打ち消した。

コイツはそういう男だ。

見捨てる事も割り切る事もしない。

たとえそれが特別な相手ではなくとも。

恋愛感情がなくとも。

芹が特別だから追うのではない。

同様に、紅が同じ事をしても追うだろう。

紅も特別ではないのだろうから…。

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