Escape from the DEAD second night
一体屋敷の周囲に何百体集まっていたのか。

行けども行けども、ゾンビの群れは途切れない。

既にこの周辺には、生存者はいないのだろう。

それ故に、唯一の生きた人間が集まっている屋敷にゾンビ達は殺到してきた。

新鮮な肉を食らう為に。

自らが人間の世界を取って代わる為に。

(ふざけるなっ…!)

ギリッと。

要は歯噛みする。

突然奪われた日常。

何の謂れもなく壊された平穏。

多くの友人が、仲間が、恐らくは家族さえも。

この饐えた臭いのする連中に亡き者にされた。

あまつさえこの世界のどこかで、同じ化け物になって徘徊しているのかもしれない。

死よりも悪い結末を迎えているのかもしれない。

< 17 / 132 >

この作品をシェア

pagetop