Escape from the DEAD second night
Despair and DEAD
血と肉片と体液に塗れたアストロは、ようやく停車する。

フロントガラスに飛び散った血液をワイパーで拭いながら。

「少し休憩してもいいだろう。ゾンビ達もいない事だし」

紅はブレーキを踏み締めた。

屋敷から随分離れた。

ここは国道の真ん中。

既に電気が止まり、信号も消えてしまった道路の中央に、紅は車を止めている。

何の問題もないだろう。

もう道路を走っている車など存在しない。

時折打ち捨てられた車が見受けられる程度。

『人間が運転している車』は、要達の乗るアストロだけだった。

< 21 / 132 >

この作品をシェア

pagetop