Escape from the DEAD second night
屋敷から銃と弾薬を持ち出しているし、それを使いこなすだけの技量も習得している芹。

しかしたった一人だ。

如何に強力な銃を持っていても、数に任せて襲い掛かられれば一溜まりもない。

考えたくはないが、あの屍の大群を前にして、芹がたった一人で生き永らえているのかどうか…。

「だったら諦めて屋敷に帰るか?」

前を見据えたまま、紅が言った。

「らしくもないな、要。そんな事、屋敷を出る前からわかっていた事だろう…絶望的な状況なのは嫌と言うほど見せ付けられている。そんな状況に来生が一人で出て行ったからこそ、助けに行くと言い出したのではないのか?お前は…」

「……そう…そうですね」

紅の言葉に、要は気持ちを切り替える。

救いのない世界なのはわかり切っていた事だ。

その救いのない世界に出て行った芹を救う為に、要は彼女を追う決心をしたのだ。

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