Escape from the DEAD second night
気を取り直す要に。

「来生はどこに向かったと思う?」

紅が要の顔を見て言った。

当てもなく屋敷を出て行ったのかもしれないが、芹とていつまでも危険な屋外を彷徨っている筈はない。

身を寄せる場所を求めて行動を始める筈だ。

確かに安全と確信を持って言える場所などないかもしれない。

しかしそれでも、僅かでも身を守れる場所を探す筈だ。

「やっぱり他の生存者達と共にいる方が、安全は確保できると思うんです」

要は車に積んである荷物の中から、地図を取り出した。

「…ここ。しばらく走った所に小学校があります。災害や有事の際には、恐らく避難場所になっている筈。芹もここを目指すんじゃないでしょうか」

「成程な。確かに単独行動での安全確保には限界があるからな」

ハンドルを握り直し、紅はアクセルを踏んだ。

「まずはその小学校に向かってみよう」

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