Escape from the DEAD second night
「動くんじゃねぇよ!」

男は紅を盾にするようにして怒鳴る。

「動くとこの女殺すぞ!」

「紅さんを殺したら撃つ。それ以上傷つけても撃つ。お前が助かる方法は、紅さんを無傷で放す事だけだ」

この少年は、本当に要なのか。

紅がそう思ってしまうほど、目の前の要は冷徹なまでの要求を男に突きつけていた。

紅という人質をとっていながら、追い詰められているのは明らかに男。

「早くしろ」

低く冷たい声音で言う要。

「く…くっそぉおぉおぉおっ!」

逆上した男は、行動に出る。

が、その行動はやはり素人だった。

突きつけていた包丁を振り上げる!

その瞬間に。

「突きつけたならば、そのまま押し込めばいいものを…」

紅が男の胸に肘鉄を食らわす!

「がはっ!」

「勢いをつけようと刃を離すからこうなる」

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