Escape from the DEAD second night
「いやぁっ、いやぁああぁあぁっ!」

嗚咽し、絶叫し、泣きじゃくり、顔を背けながら。

それでも芹はトリガーを引き続ける。

血と肉片と臓物に対する嫌悪と、生き延びようとする生物としての本能。

その二つの鬩ぎ合いが、相反する行動をとらせる。

しかし、如何に引き金を引こうと、弾丸が切れては銃は撃てない。

先程弾薬を装填したばかりの狙撃銃が、またも弾切れとなる。

「えっ…あっ!…」

狼狽する芹。

ただでさえゾンビ達との距離は縮まっていたのだ。

見る見るうちに彼女は壁際に追い詰められ、囲まれていく。

「いやっ、近寄らないで!いやだっ…いやあっ!」

弾切れになったレミントンM700の端を両手で握り締めて、鈍器のように振り回す芹。

ゾンビの頭部を殴打する事で、一体二体程度ならば倒す事が出来た。

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