Escape from the DEAD second night
だが、数え切れない程に群がるゾンビ達の前では焼け石に水だ。

今に完全に包囲され、芹は群れに組み敷かれてしまうだろう。

頭では理解しているが、この囲みを突破する上手い方法が思いつかない。

視線を走らせても、隙間なく包囲しているゾンビ達。

顔を顰めるほどの腐臭が充満する。

錯乱しそうなほどの四面楚歌の中。

「だから立ち止まらず走れと言っただろう!」

危険を顧みずに、小川がゾンビの群れの中に飛び込んできた!

手にした89式小銃を乱射しつつ、芹を取り囲む包囲を突き崩す。

その行動は的確且つ迅速だ。

流石に自衛隊で訓練を受けている生粋の兵士は違う。

必要最低限の射撃を以って、効率的にゾンビ達の包囲網を破った。

そこに出来た突破口から。

「走れ!突っ切るんだ!」

小川は芹を連れて逃げる!

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