Escape from the DEAD second night
心臓は爆発しそうだった。

肺が、これ以上の酸素供給は不可能だと悲鳴を上げる。

これまでの逃避行で酷使してきた両足が言う事を聞かない。

今にも立ち止まり、崩れ落ちてしまいそうだった。

それでも止まる訳にはいかない。

止まれば、それら生命活動全てが停止する事になる。

死にながらにして血肉を求めて徘徊し続ける無惨な末路を辿る事になる。

そんなのは嫌だ。

絶対に嫌だ!

見苦しいまでの生への執着にしがみつき、芹は今にも踏み外しそうになりながら階段の段差を駆け上がる。

僅かな段差の階段にさえ、躓いて何度も転倒しそうになった。

疲労困憊の足が、階段を昇る事さえ拒否していた。

それでも昇る。

どんな苦痛も疲労も無視して、無理矢理に体を動かす!

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