Escape from the DEAD second night
群れの数に対して、小川の肉体はあまりにも食いでが無さ過ぎた。

しかし、ふと見る。

…何だ、あんなとこにもう一人いるじゃないか。

若くて瑞々しくて、柔らかな肉の持ち主が。

白濁した眼が、次々と芹に向けられる。

その眼の持ち主に対して。

「あぁぁあぁあぁあっ!」

獣のように咆哮を上げながら、89式小銃の引き金を引く芹。

弾倉に残された全ての弾丸を吐き出して、階段下のゾンビ数体を蜂の巣にしてやる。

弾切れになった小銃を投げ捨てると、彼女は再び階段を駆け登り始めた。

生きる為に。

見苦しくも懸命に足掻いて、生き延びる為に。

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