Escape from the DEAD second night
「命中するようになってきたな」

背後から声が聞こえ、要は振り向く。

…長い黒髪の女性が立っていた。

年齢こそ要より一つ年上程度だが、その大人びた顔立ちは年齢以上のように感じさせる。

和服の似合いそうな大和撫子。

しかし身を包んでいるのは要と同じ学園の制服、そして手にしているのは日本刀だ。

二階堂 紅。

要と共にここまでの逃避行を続けてきた、頼りになる仲間だ。

「しかし拳銃は弾が尽きたら終わりだろう?」

「大丈夫…特殊警棒も念の為に貰いました。それに」

塀から飛び降りて、要は信頼の眼差しで紅を見る。

「紅さんがアシストしてくれるでしょう?」

「…期待には沿うが、あまり過剰に当てにはしないでくれよ?」

紅は苦笑いした。

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