Escape from the DEAD second night
流石はヤクザの組長の屋敷だ。

ここには武器が揃っている。

本来ならば法に触れる銃火器や弾薬、刀剣の類が、土蔵の地下に隠されていた。

法の目を掻い潜って密輸による武器の売買を続けてきた彼らヤクザが、世界の崩壊においては要達の助けになったというのも皮肉な話だ。

まさに鉄壁の要塞。

ここには無限ではないにせよ、武器もある。

腕の立つ組員達もいる。

この屋敷に留まれば、少なくとも外界にいるよりは身の安全を保証できる。

組長もそれで構わないと言ってくれた。

ならばその言葉に甘えるのが賢い選択といえるだろう。

だが…。

要達は…いや、要はそうする事をせず、近いうちに屋敷を出るつもりでいた。

必死に射撃の腕を磨いたのも、全てはその為だった。

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