Escape from the DEAD second night
まるで決壊した堤防から溢れ出す濁流だ。

腐臭を放つ亡者達が、堰を切ったように小学校の敷地内へとなだれ込んでくる。

「逃げろ!ここはもう駄目だ!逃げろ!」

小学校の敷地内にいる者に呼びかけながら走る紅。

要もまた、時折振り返っては発砲して牽制する。

勿論微々たる効果しかもたらさない。

既に小学校に入り込んできたゾンビ達は、優に百を超えていた。

生存者とゾンビの数が逆転してしまったこの世界では、どこに行ってもこのくらいの単位のゾンビが徘徊している。

瞬く間に群がってきて、生者の肉を欲して襲い掛かってくる。

陳腐な言い方だが『地獄絵図』だった。

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