Escape from the DEAD second night
口ではそんな悪態をつく。

だが言葉とは裏腹に、彼女は…芹は嬉しかったのだ。

この終わった世界で、もう二度と要達と再会する事はないと思っていた。

お互い、いつゾンビに成り果ててもおかしくない。

どちらかが、或いは両方とも屍になって貪り食い合う末路を辿っても、何らおかしくはないのだ。

そんな世界にあって、また生きて再会できるとは。

身勝手に一人出て行った自分を、こうして追いかけて来てくれるとは…!

感極まっていても。

「要、後ろ!」

フォローは決して忘れない。

素早く拳銃を構える芹。

しかし要も俊敏に特殊警棒を拾い上げると、振り向き様に背後のゾンビの側頭部を殴りつけた!

…思わず目を見張る。

別離してまだ一週間程度。

その間に、要の動きは見違えていた。

まるで戦い慣れた一流の兵士のそれだ。

そして。

「お前も背後ががら空きだぞ」

いつの間にか接近してきた紅によって、芹の後ろを取っていたゾンビの首が刎ね飛ばされた。

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