君色
1
孤独
私、浅黄紅葉(アサギ 紅葉)。
今年17歳の高校2年生の年だ。
でも高校のは行かず、働く事もせず、家に引きこもっていた。
理由はイジメだった。
親友どころか友達すら内気な私に出来るはずもなく、いつも一人でいた私。
そんな時流行り事のように行われていたのがイジメだった。
野性的本能からか、私は酷いイジメにあっていた一人の女の子を助けたのだ。
それからだった。
イジメの矛先が私に変わり、その子の変わりになったのだ。
でも高校に行かなくなった理由は他のもあった。
多分、そっちが本当の理由だ。
私はある病をわずらっていた。
きっとテレビや映画、漫画等で一度は耳にした事があるだろう。
『記憶障害』
私の場合、一気に記憶が消え、時の流れの中で回復してゆくものではない。
徐々に、小さな事からだんだん頭の中から記憶が薄れて、最後はどんなに思い出そうとしても思い出せなくなるものだった。
それは本当に些細な事。
例えるならば、あまり興味がない事を普通の人間なら言われるまでは頭の隅にしかないはずだ。
それを私は頭の中から完全に消えていて、一生思い出す事はない。
それが私の病である『記憶障害』の主な症状だ。