君色
ベランダから見る、外の景色は不思議なもので。
行きかう人が何を考え、どういう職業で、毎日をどう過ごしているのか。
そんな事を頭の隅で考えてみたり。
案外こんな時間が好きだったりする。
そんな時。
ある一人の女子高生が、団地の隅に座り、なんかやっているのが視界に入る。
制服を着ていて、私と同じ種類の制服だった為、目線が自然とその子に向いた。
その子は手に携帯を持ちながら、泣いているように俯いていて。
一瞬イジメ?と言う考えが浮かんだが。
「麻奈ぁー」
その子に駆け寄ってきた派手系の女の子。
私の予想は外れ、ホッと胸を撫で下ろす。
「麻奈、なにやってんの?」
盗み聞きする趣味はないが、恐らく同じ学校、同じ年齢くらいの子の会話が気になり、暫く聞いてみる。