涙のスイッチ
「そろそろ帰らなきゃな」


迪也くんとの時間は、あっという間。


「あたし、宮園まで送るね?」


「でも、帰り遅くなると、親心配するぞ?」


「大丈夫。暗い道もないし、そんな遠くないから」


「そっか。じゃ、その分長く一緒にいられるし、宮園まで、な?」


「うんっ!」


寮まで歩いて20分。


門限までもうすぐなのに、迪也くんと繋いだ手はそのまま。
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