涙のスイッチ
「美和?」


「なぁに?迪也くん」


「何かあっただろ?」


なんで?


どうして何も言ってないのに迪也くんにはわかっちゃうの?


気づかないでよ…。


たまには知らんぷりしてほしいよ…。


「ううん、何もないよ?」


「隠すなって、前にも言ったよな?オレには言えない事?」


何て言えばいいの?


告白されてキスされましたって言えば、迪也くんはどんな顔するの?


抱き締めてくれる?


それともあたしから遠ざかる?


何もない、何も持ってないあたし達。


壊れるのなんて…一瞬だよ、ね…。


「自分で解決したいから…今は言えない…」


「うん、わかった。オレ、前にも言ったけど美和の事信じてるから。だから美和の口から言える日まで待つさ」
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