涙のスイッチ
…へ…?


見上げると真っ赤な顔して迪也くんが目線を反らした。


ピタッと止まってしまう涙。


あたしはもう一度迪也くんのその言葉が欲しくて。


「泣いちゃうかもしれない…」


って言う。


「ダメ。…かわいい…から…」


そのたった一言で。


今までぐるぐる渦巻いてた行き場のない感情が、消化されてしまったような気がした。
< 132 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop