涙のスイッチ
会って。


きちんと会って、旭くんにちゃんと断りたい。


あたしは旭くんの歩調では歩けないって、そう伝えたい。


「うん、いいよ」


『じゃ、美和ちゃんの家の近くにキャラメルノアって喫茶店あるだろ?そこで10時に待ち合わせな』


「うん。きっと行くから」


『美和ちゃん?』


「なぁに?旭くん」


『好き、だから』


「うん…。気持ち、ありがとう。でも…」


『じゃあ、明日な』


一方的に電話を切られた。


続きは明日。


逃げず隠さず、ちゃんと話そう。


お互いを見る角度は違うけど、ちゃんと向き合えば旭くんだってわかってくれるはず。


なんとなく。


そんな気がした。
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