涙のスイッチ
「あの、様子見させてもらってもいいですか?」


「どうぞ。まだ眠ってると思うけど」


おばあちゃんの声がして、静かに襖が開き光が漏れる。


一人分の人影が見えて襖は再び閉ざされた。


あたしはとっさに布団を頭まで被せ、その人を見ようとはしなかった。


「一一一!?」


布団の脇に座る畳の擦れる音と同時にあたしの布団がめくられて、手首を掴まれた。
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