涙のスイッチ
耳元で強く囁かれた言葉に体が震えた。


“美和”


“生きろ”


その単語の裏側。


“あたし”


“死ぬ”


あたしは、ただなんとなく生きるのが気だるいって理由だけで、自らの命を断とうとした。


何もわからないジョンを連れて。


泣く程心配してくれたママを置いて。


あたしは。


死のうとしたんだ…。
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