涙のスイッチ
ココロの鍵
2日で熱も下がり、少しの咳もおさまった。


北海道に来て3日目。


買ってきた菓子折を持って、みんなで羽生さんの家に向かう。


「お礼ならあたしだけでもちゃんと言えるよ?」


「何言ってるんだ。美和の命の恩人だぞ。こういう挨拶はきちんとするもんだ」


「お父さんの言う通りよ。あの時迪也くんが助けてくれなかったら今頃…。ママ考えるだけで頭がおかしくなりそうだわ」


「ご心配おかけしましたっ」


田舎のお隣さん家は、畑の向こう側。


あたしん家のマンションみたく壁一枚はさんでのご近所さんじゃないのに、とても懇意につき合っているらしい。
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