涙のスイッチ
ちゃんとお礼が言いたいだけ。


それなのに。


心臓がバクバクして止まらない。


電話、くるかな…。


家に来てくれた時。


散歩でもしよう、って言ってくれた。


話、聞いてくれるって言った。


だから、きっと…。


連絡くれるよ、ね…?


体中がドクドク脈打って、半分もご飯を食べられない。


お風呂はいつもの半分の時間で済ませて、ケータイを洗面所に置きながらセミロングの髪を丁寧に乾かした。


まだケータイは鳴ってくれない。


時計の針は、もうすぐ11時。


「美和、そろそろ寝たら?病み上がりなんだし、無理しちゃダメよ?」


「うん…。おばあちゃん…」
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